・無法


俺がSecondLifeを始めたのは2005年の7月の事である。当時は日本人は数える程しか居らず情報も殆ど無いに等しく、何をするにも手探りであったが、その分自由でもあった。その頃のエピソードを頼まれもせぬのに幾つかご紹介して差し上げようと思う次第である。


ログインして即座にチンコ製作に取り掛かった、と言う話は以前のエントリに書いたとおりであるが、完成後、喜んだ俺はそれを巨大化させSandBoxに大量にコピーして並べ、遠目にそれを眺めて悦に浸っていた。現在の日本人街のSandBoxでこの様な狼藉を働いたらどうなるのであろうか。想像するだに恐ろしいが、当時はコレを誰も狼藉とは思っていなかったのである。
隆々と乱立するチンコを見つけて近づいてきた外人が、「ココはチンコの果樹園かい?」等と尋ねてくるなど、正にチンコの果樹園と呼ぶに相応しい牧歌的な情緒に満ち満ちていた。

ひさかたの ひかりのどけき はるのひに 
しづこころなく はなのちるらむ         
                  紀友則

(意訳:光のどかな春の日なのに なぜ心無く梅毒によって鼻が腐り落ちるのだろう?)

こんな歌の一つも詠みたくなるというものである。


SLを始めた時に、「モノを作るのはSandBoxで」、と聞いていた為、システム的にSandBoxでしか作れないのだろう、と勘違いしていた。色々と店などを見て回る最中、ふと思い立って地面を右クリックして操作してみると普通にPrimが出現して、なるほど、と納得したわけだが、SandBoxでは定期的にObjectのWipeOutが行なわれるため、同じ様な気分でコレを放置しておいたのであるが、当然後ほどIMが来た。Ownerならば消したりReturn出来るわけだが、Groupの一員か何かだったのであろう、「こっちへ来て消してくれ」との事。ああ、そういうシステムなのか、悪い事をしたな、と反省しつつTPされた場所へ行って見たのだが、この時俺は下半身裸でチンコを装着していた。
俺を呼び出した外人(女性AV)は「信じられない」とつぶやいていたが、そこがアダルトショップだった事もあり、そのまま普通に談笑して事無きを得たワケだが酷い話である。


当時日本人が少なかったとは言え、既に以前からやっている人や、別の場所で始めた人も数名ながら居たのであり、時々こうした人々と合流する事があった。その中の一人がBAZ氏であるが、会うや否や、俺は挨拶代わりとばかりにBAZ氏を完成直後のチンコ砲で3SIM程吹き飛ばした。
チンコ砲とは通称であり、正式名称をMega Sperm Canonといい、和名はメガ精子砲である。その名のとおり巨大なチンコの形状をしたバズーカであり、プッシュ全開の凶悪な兵器である。
今こんな挨拶をしようものならどういう事になるであろうか。俺も今これをやられたら怒るかもしれない。喜ぶかもしれないが。が、当時はこんなんでも笑って済まされたのである。というより笑えて仕方が無かったのである。