・50L$要求する女


 たまには自宅に居らねばなるまい。その様に考えた俺は、久々に自宅であるエロクラブへと戻る。
 すると珍しくMiniMAP上に緑色の点が二つほどある。客である。

 中へ入ると男AVが二人、ボーっと突っ立っている。話しかけるが返事が全く無い。
 仕方が無いのでとりあえずこの連中は放置し、新しいエロビデオを仕入れに行くなどして時間を潰して戻ってくると、今度は女AVが一人で突っ立っている。とりあえず「Hi」等と話しかけてみると、

 
 「50L$くれたら、裸になってエロ玉に座ってやる。」

 
 これしか言わない。「今は必要ない」「金払いたくない」「何処から来たの?」等色々言ってみるが、

 
 「50L$くれたら、裸になってエロ玉に座ってやる。」


 この一点張りである。


 「俺、このクラブのオーナーなのに、何でアンタに金払わなきゃならんの?!」


 と、ダメ元で言ってみると、少し間をおいてハゲ頭のギャング風の男が


 「hahahahaha!」

 
 等と高笑いしながら急に現れ、


 「いやー、まいったなー。実は、そいつは俺のhookerbotだ。hahahahaha!」


 なにやら微妙に格好良い登場の仕方である。


 要するにhookerbotとは、その名の通り売春ロボット、つまりスクリプトで女AVを動かして売春させるという物らしい。ヤツが実演して見せてくれたが、「〜に座れ!」などと命令すると、「ハイ!私は〜を探します!」等とロボット臭い事を言いながら、指定されたエロ玉にSitすると言う代物である。当然オーナーを変更する事が出来、オーナーの言う事は何でも聞く、という仕組みである。



 ヤツが俺のところへ訪れた目的は、

  1. 実際にカモを見つけてhookerbotを試す
  2. クラブのオーナーに有償でhookerbotを貸し出す


であったそうだが、カモとクラブのオーナーが同一人物であったために、ヤツの計画1、2はおかしな混ざり方をし、頓挫してしまったという事だ。

 
 とりあえずレンタル料は幾らなのか尋ねてみると、200L$/dayという眼球が突出しそうになる金額であったので、「面白いけど高いからイラネ」と言うと、


 「お前がイベントやる時は、4,5体あるbotを全部無料で貸してやるから、是非呼んでくれ!」


 との事。どちらかと言えば、ヤツは良い変態であった様だ。


 こうしてまた、俺のフレンドリストに異常者が一人追加されたのであった。